On November 8th, 2023, the Pacific Collective on Nuclear Issues, composed of 19 locally active groups, published a statement regarding the radioactive wastewater from the damaged Fukushima Daiichi Nucelar Power Station and Japan/TEPCO’s actions.
In solidarity, we have translated the statement in full into Japanese and posted it along with the original PDF document.
We take seriously the denunciations expressed in the statement especially with regards to the actions by Japan and TEPCO to drive a wedge into Pacific states.
Japan and TEPCO must understand that their broken-record-style repetition that they unilaterally consider the discharged waters to be safe, is not gaining trust in the Pacific. Rather it is hurting international relations in a world so volatile. They must immediately stop the discharge and then to work to regain the lost trust by paying respect to the people, their cultures and livelihoods. Not by playing petty political games.
Shigeru Tanaka
Pacific Asia Resource Center (PARC)
[Statement] Pacific groups call on Leaders to reconsider diplomatic relations with Japan
2023年11月8日
太平洋の諸団体、日本との外交関係見直しを要請
太平洋の市民社会組織、非政府組織や運動体からなる核問題にかかわる太平洋共同体(The Pacific Collective on Nuclear Issues/以下、「共同体」)は再度、損傷した福島第一原子力発電所からの放射性廃水に関する唯一の解決策としてそれを太平洋へ投棄することを非難します。共同体は、さらに日本政府と施設の運営者である東京電力株式会社(TEPCO)が、問題があってかつ危険な行動に執着することを強く非難します。
2023年8月24日、岸田文雄政権は今後30-40年かけて破壊された福島第一原子力発電所から放出される130万トンの高度液体処理設備(ALPS/註1)で処理された放射性廃水の一部を太平洋に投棄することを開始させました。第二段の放出は先月の5日に始まりました。
この恥知らずな行動は日本と太平洋の数多くの政府、コミュニティ、環境団体、NGOと反核運動による度重なる抗議にもかかわらず進められました。
共同体は、かねてより、独立した科学的助言に基づいた太平洋の人びとの反対に対する恥ずかしげもない軽視と敬意の完全なる欠如について日本政府とTEPCOに対して深い失望を表してきました。
太平洋諸島フォーラム(PIF)によって命じられた科学的専門家の独立パネルの結論は明白です。日本による「廃水は安全である」という主張を支えるために提供されたデータには矛盾があり、根拠が薄く、そのために全く信頼に足らないのです。さらに、私たちの不安は、日本による提案の安全性に対して国際原子力機関(IAEA)が確たる信頼を寄せていても払しょくされません。同機関は原子力エネルギーの安全活用を推進することを目的としているからです。もし日本政府とTEPCOが放射性廃水が安全であると信じているならば、日本の領土内で安全に排水する準備を進めるべきです。
共同体はさらにこのような太平洋への投棄は我々の人権侵害そのものであると宣言します。私たちは〈島々を有する海の民〉であり、太平洋の人びとがまたも自由意思による事前の十分な情報に基づく合意(FPIC)を否定されることは、その海にかかわる非常に憂慮されるべき事態です。
これが恥ずべき国際法違反であること以外に、本件にかかわる日本の対応は太平洋諸国の主権そのものへの侮辱であり、PIFの「域外国対話パートナー」にふさわしくありません。
共同体は太平洋地域の長年にわたる非核地域への集団的コミットメントを支持し、福島の課題と非核太平洋地域を守ることについて太平洋諸国の地域的立場に亀裂を入れる日本による外交手段を非難します。これはクック諸島で開催される第52回となるPIFの首脳会合に際して、積年に風化することない非核地域を目指したラロトンガ条約の条項を尊重し、会合が本来称えるべきである太平洋の自己決定権の精神に基づいて行うものです。
私たちは太平洋の首脳たちが、連帯に基づいて、太平洋の長年の立場として非核地域を堅持することを求めます。ここで言う非核地域とはウラン採掘、核兵器、核実験、核廃棄物そして放射性物質の輸送及び保管による人びと、地球そして海に対する危害を我々の島々や海路において反対するということを意味します。
私たちは放射性廃水を太平洋に投棄することが太平洋の人びと、その生活、安全、健康、そして幸福に対してもたらす脅威から国際社会が目を背けないよう求めます。すなわち今日の私たちの生き方と、きれいで、健全で、持続可能な地域としての未来が脅威にさらされているのです。
私たちは、日本政府と東京電力に対し、2023年に開始され、30年から40年にわたる放射性廃水の投棄作業を直ちに停止することを求めます。また、PIFの科学的調査委員会の太平洋への放射性廃水の投棄以外のより安全な代案が存在することを明確に記している調査結果を再考するよう、日本政府と東京電力に求めます。
私たちは、太平洋地域の首脳に対し、太平洋諸島フォーラムの域外国対話パートナーとしての日本の地位を停止し、次回の太平洋諸島首脳会議(PALM)で外交関係を見直すよう求めます。
太平洋の人びとは新しく(New)、きれい(Clear)な生き方を求めます!
(訳者註)
註1:「Advanced Liquid Processing System(ALPS)」は日本語では一般的に「多核種除去設備」と記されていますが、英文と大きな差異があるため、原文の言語で理解されている内容により近づけて表現するためにあえて訳文では直訳的な日本語訳を用いています