2023年4月、国連本会議にてSDGsの達成にはこれまでの資本主義に基づいた経済母体ではなく「社会的連帯経済」が必要不可欠であることが認められました。
包摂的な連帯関係を基盤に、様々な社会課題に直面する当事者が地域で生きていくことのできる経済(サブシステンス・エコノミー)を作っていくことが、「社会的連帯経済」の重要なポイントです。
国連が「国際協同組合年」と定めた今年、PARCでは、地域で社会のつながりをつくり直すことを試みる現場を訪問する2つの国内エクスポージャーを開催します。ぜひご参加ください!
・資本主義の向こうにある社会を見出す 社会的連帯経済を探す旅2025
・アートをめぐるフィールドワークin関西――「やまなみ工房」「アトリエコーナス」を訪ねる
社会的連帯経済を探す旅2025
「社会的連帯経済」という単語は耳慣れないかもしれませんが、今日、グローバル資本主義が様々な綻びを見せる中で、資本主義でも国家社会主義でもないオルタナティブとして、世界中で生まれています。日本国内にも、それを体現した取り組みは実はすでに各地に点在しているのです。
本企画では、「社会的連帯経済推進フォーラム」との共催で、現地訪問の前にオンラインで事前学習会を開催し、「社会的連帯経済」として注目するポイントを学びます。
第1回[大阪]では、地域の課題を解決するために地域通貨の活用や変わる地域に合わせた雇用創出を多様な事業で試みる北芝(NPO法人暮らしづくりネットワーク北芝)と、貧困・教育格差に官民連携で取り組む高槻富田(一般社団法人タウンスペースWAKWAK)を訪問します。
第2回[和歌山]では、障害者支援から始まり、社会問題に直面する当事者を軸にコミュニティを形成し、地域農業支援も展開する、麦の郷(社会福祉法人一麦会)を訪れます。地域のリソースを奪い合う経済ではなく、分かち合い、支え合う地域づくりを学びます。
「社会的連帯経済を探す旅2025」の詳細はこちら
https://www.parcfs.org/sse2025
【共催】アジア太平洋資料センター(PARC)・社会的連帯経済推進フォーラム
【後援】2025国際協同組合年後援事業(申請中)
アートをめぐるフィールドワークin関西

(写真提供:やまなみ工房)
このフィールドワークでは、多数のアート作品を世に送り出している関西の2つの福祉施設を訪問し、創作活動の様子をじっくり見学し、交流します。案内人は、2つの施設の作品のキュレーションに携わる中津川浩章さんです。
1日目は、大阪の「アトリエコーナス」を訪問します。戦前の面影を残す古居住宅街の一軒家を改築した建物で、知的障害のある方がそれぞれのペースでアート活動をしています。
2日目は、海外でも評価されているアートセンター&福祉施設「やまなみ工房」を訪れます。滋賀県にある「やまなみ工房」では、約90人の障害を持つ利用者が約20人のスタッフとともに過ごし、一人ひとりの興味や関心を見つめ、活動しています。
2つの施設の共通点は、作品づくりにスタッフが介入しないことです。ただ誰もがあるがままの自分を認められる場をつくることが、どんな可能性を開くのか。その多様な表現活動を見学し、体感します。
「アートをめぐるフィールドワークin関西――「やまなみ工房」「アトリエコーナス」を訪ねる」の詳細はこちら
https://www.parcfs.org/artkansai2025