農薬や化学肥料への依存、放射能汚染、環境破壊・・・
農と食に大きな問題をかかえる現代社会をどう変え、どう生きればよいのでしょうか?
その答えのひとつは、「有機農業という生き方」の中にあります。本来の農業である有機農業は、土や水をはじめ自然の恵みを大切にする持続可能な営みです。有機農業で生きることを選択した人びとの声に耳を傾けていくと、有機農業とは単に農薬や化学肥料を使わない農法にとどまらないことがわかってきました。
埼玉県小川町には、40年間の取り組みの末、有機農業に全面転換した集落がありました。
福島県には、原発事故後も放射能汚染を減らし、次世代に健康な土を受け継いでいきたいと、いまも種を播き続ける有機農業者たちがいました。
有機農産物を買い支えるためのオーガニック・マーケットや、大学や高校、食や環境に関わるグループなど、全国各地で、有機農業を支えようとする理解者の輪が広がっています。こうした中で、有機農業という生き方を選択する若者は確実に増えているのです。
東日本大震災と原発事故は、私たちに農業や暮らしのあり方そのものの転換をつきつけました。経済成長優先の社会から離れ、農的暮らしへ――人と人をつなぎ、地域を元気にし、ほんとうの豊かさを実感できる有機農業の魅力を伝えます。
「生きること」「耕すこと」「食べること」に関心をもつすべての人へ。