アブラヤシの実からとれるパームオイルは、価格が安く、腐りにくく、加工しやすい便利な油です。インスタントラーメンやチョコレート、スナックなどのお菓子、ファストフード、レトルト食品、お総菜、洗剤、化粧品、自動車燃料などを通して、2006年に日本人は1人あたり4.3キロものパームオイルを使いました。
この作品では、マレーシア、インドネシア、日本を取材。パームオイルの作られ方と使われ方を探りました。
すると、森を追い出される人びと、大量の農薬によって汚染される水、低賃金で危険な仕事をさせられる労働者、働く子どもたち、破壊される熱帯雨林――。安くて便利なパームオイルの向こう側に、生産地でさまざまな問題を引き起こすプランテーションが見えてきました。
東南アジアやアフリカに根付く、身近にある椰子を使う人びとの知恵や技術も紹介。 パームオイルと椰子を通して、知らない場所で作られたモノを、知らないうちに大量に消費している私たちの暮らしを問い直します。