外国人労働力の受入れ拡大へと進む日本。しかし、日本社会は、彼/彼女たちを、ともに暮らす社会の一員として快く迎え入れているでしょうか?
日本で暮らす外国人が置かれている境遇を象徴しているのが、出入国在留管理庁の管理する外国人収容所です。在留資格のない外国人の収容を目的としたこれらの収容施設には、現在も1000人を超える外国人がオーバーステイや難民不認定を理由に収容されています。刑期がある刑務所と異なり、収容者は、いつ出られるのか、いつ強制送還されるのかも分からない、不安な日々を送ることになります。自由とプライバシーを奪われ、十分な医療も受けられません。長期収容が常態化し、収容中の自殺・自殺未遂や死亡も相次いでいます。
本作では、トルコで迫害を受け、日本へと逃れてきた少数民族クルドの人々の姿を追います。トルコ軍による強制的な追放によって暮らしを奪われて、難民となったクルドの人々。ところが、日本政府からは難民として認められないまま、難民申請の手続きの最中にも自分や家族がある日突然収容されてしまう、そんな将来の見えない生活を強いられています。
クルドの人々のインタビューから、外国人労働力受入れの裏で繰り広げられている、外国人収容所での人権侵害の実態を明らかにし、日本の移民・難民政策のあり方を問います。