地球上のすべての生き物に必要不可欠な水。しかし人類が利用可能な淡水は、地球上の水のわずか0.01%に過ぎません。人口増加や経済開発に伴って、水の使用量は増加する一方で、異常気象や環境破壊、都市化の影響で水資源は急激に減りつづけています。蛇口をひねれば水が出るのがあたりまえと思っている日本の私たちですが、世界には安全な水を利用できない人びとが12億人もいます。さらに経済のグローバル化のなかで、企業による水の民営化・商品化の流れが進行しています。
水道事業の民営化に直面するマニラやジャカルタの都市住民たち、慢性的な水不足のせいで、わずか200リットルの水で1週間をしのぐ中国農村の家族、コカ・コーラ社による地下水汲み上げに対して立ち上がったインド・ケーララの人びと-。そして日本にいる私たちは、中国などから農産物や工業製品を輸入することで、間接的に水を大量に輸入しているのです。いったい水は誰のものなのでしょうか?
すべての人が生きていくための権利としての水、地球規模での「公共財」としての水のあり方を考えます。