2019年6月23日に開催したセミナーの録画記録を公開しています。
今やミカンやリンゴを越えて、日本で一番食べられている果物になったバナナ―
そのバナナはどのようにして日本に送られてくるのでしょうか?
バナナプランテーションで働く農民が過酷な環境でバナナを生産させられている状況についてはこれまで様々な報告が行われてきましたが、バナナ産業における搾取は農民に限った問題ではありません。
日系バナナ事業者「スミフル(旧:住商フルーツ)」のために収穫されたバナナを洗浄し 、輸出できるように切り分けて梱包する工場労働者らは一日あたり15時間以上働いているケースもあるとされ、刃物や化学薬品を扱うにも関わらず十分な保護具も支給されていません。給与も生活に十分な額とは言えません。
その待遇に不満を覚え、改善を求めて労働組合を組織した労働者らは自身とその家族が恐喝・暴力にさらされています。現在組合を代表する労働者は11月と12月の二度の放火で家を失い、また別の組合員は10月に銃殺されました。その他多くの組合員が「組合を辞めなければひどい目に合う」と脅されています。
過酷な労働環境も、組合に対する恐喝・暴力もいずれも看過できない重大な人権侵害です。
フィリピンでその人権侵害に直面する労働者2名を招き、実態をご報告いただくとともに、グローバルビジネスによる人権侵害を食い止めるためにできることを考えます。
日時:2019年6月23日(日)14:00~16:30(開場13:30)
場所:連合会館 203会議室
報告者:Paul John Dizonさん、Jamila Senoさん(労働組合NAMASUFA代表及び役員)
労働組合NAMASUFAは2008年以来、スミフル・フィリピンの管理するバナナ梱包工場での労働者を代表し、労働協約を締結するべく団体交渉を求めて活動してきた正規の労働組合です。フィリピン最高裁番所が労働組合として認めながらも、いまだに権利が守られない実態をご報告いただきました。
共催:アジア太平洋資料センター(PARC)/国際環境NGO FoE Japan/エシカルバナナ・キャンペーン実行委員会/Fair Finance Guide Japan