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種まきして育てた苗を畑に植付け
PARC自由学校では、2019年から「畑で実践!!<たね>からはじまる無肥料自然栽培」を開催しています。この講座では、たい肥や落ち葉、草を土に漉き込むといった土づくりや冠水(水まき)を一切行わず、自然の力を活かした作物づくりを学びます。今回のレポートでは2024年度の活動の様子をお伝えします。
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(左)講座のはじまりは夏野菜の種まきから(右)ジャガイモの土寄せ作業中 みんなで力を合わせて作業を進めていきます
講座を指導するのは、無肥料自然栽培の道を22年歩んできたベテラン講師、関野幸生さん。関野さんが大切にしているのは、畑の中心にある「種」です。講座では関野さんがご自身の農園で丁寧に受け継がれた在来種や固定種の種を使用し、その種を講座の畑にまき、収穫した種を翌年に再び使うことで、同じ畑で種を紡いできました。
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(左)夏はあっという間に草が伸びてきます 草とりも大事な作業の一つ(右)講師の関野さんによる茄子の種採り講義中 一つひとつの作業を丁寧にご指導いただきました
2024年の夏は非常に高温で作物にとって厳しい環境でしたが、長年の種採りの成果か、トマトやナス、キュウリなど多くの収穫がありました。関野さんは「厳しい時こそ、より良い種採りのチャンス」と話します。年々気候変動が激しくなってきた中で種採りを続けてきたことで、その言葉の重みが身に染みるようになってきました。
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夏の1日の収穫 採れたての野菜は格別の美味しさ!
講座中に収穫した野菜は毎回、参加者全員で分け合い、それぞれ持ち帰ることができます。「今日はこんな野菜が取れたからどんな料理にしようかな」と考える収穫後の楽しみも、講座の醍醐味です。畑に根ざした暮らしが、日々の食卓に彩りを加えてくれます。
また畑にはブルーベリーやモモ、クリ、ビワ、カンキツ、クワ、カキなど多くの果樹が植わっています。講座が始まった2019年当初はまだ幼かった果樹たちも、ここ2、3年でしっかり根付き、枝葉を伸ばし、様々な果物を実らせるようになりました。季節ごとに無肥料自然栽培ならではの味わいを楽しめる、貴重な畑からの贈り物です。
畑は柳瀬川流域最大の田んぼに囲まれたエリアの1画にあり、周辺では貴重な生態系が残されています。畑への行き帰りには富士山の雄大な姿を眺められることも。四季折々に移り変わる風景や様々な生き物との出会いもこの講座の魅力です。
2025年度募集 畑で実践!!<たね>からはじまる無肥料自然栽培
現在、2025年3月から始まる7期目の講座参加申し込みを受け付けています!
自分の手で、自分が食べるものを育てる喜びを体験してみませんか? まずはトマト一つから、小さな農を暮らしの中に取り入れる第一歩として、<たね>から始まる無肥料自然栽培、はじめてみませんか。
詳細と申込は下記申し込みページから
https://www.parcfs.org/2025-tane
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たわわに実るスィートスプリング