2021年1月31日に神奈川県小田原市+オンラインで開催した『壊れゆく森から、持続する森へ』上映会のトークの録画記録を公開しています。
国土の約7割を森林が占める日本。しかし、林業従事者は減少する中、政府は林業の大規模化・集約化を促進しています。その結果、すべての木を伐採する「皆伐」が全国的に増え、各地で土砂災害を誘発する原因となっています。さらに伐採後に木を植える再造林率も50%を下回り、日本の森林・林業は決して持続可能とは言えません。
この問題の背景と原因を探り、解決策を見出すため、2020年、私たちは映像作品『壊れゆく森から、持続する森へ』を制作しました。作品では、戦後日本の林業政策を振り返りつつ、皆伐の現場で何が起こっているのかをレポートします。また、現在の林業を転換する大きな力として、いま各地で少しずつ増えている「自伐型林業」に注目しました。自伐型林業とは、適正な規模の木を長期間にわたり繰り返し間伐をする林業で、大きな作業道や大型機械を必要としない小さな林業です。森林を含む環境を壊すことなく、山から永続的に生業を得られることから、近年、Uターンや移住する若者の生き方・仕事の一つの選択肢にもなっています。作品では、鳥取県智頭町の自伐型林業の実践を取材しました。
気候危機への対応として、また国連持続可能な開発目標(SDGs)の中でも挙げられている、持続可能な森林の重要性、日本の森林・林業の未来を考える上映会と監修者・ゲストによるトークイベントです。
●日時:2021年1月31日(日)14:00-16:00
●ハイブリッド開催
会場:BLEND(神奈川県小田原市)+オンライン(ZOOM)
【プログラム(予定)】
(1)『壊れゆく森から、持続する森へ』上映(38分)
(2)スペシャル・トーク
飯田康司(天竜小さな林業春野研究組合・代表/春埜林藝〈はるのりんげい〉)
上垣喜寛(監修者/特定非営利活動法人 自伐型林業推進協会 事務局長)
他、自伐型林業の実践者など
(3)意見交換・質疑応答など
【ゲスト・プロフィール】
飯田康司(天竜小さな林業春野研究組合・代表/春埜林藝〈はるのりんげい〉)
静岡県磐田市育ち1976年生まれ。妻に轢かれて、森のようちえんに息子を通園させるため鳥取県智頭町に引越し、林業と豊かに誇り高く生きている人々に出逢う。
前職は自然食品店経営。骨董屋店主、重度障害者が代表の自立支援センターの立ち上げ、劇団員など経験。現在吉野林業の野村正夫氏に師事。地元上流部の林業地天竜春野町に引越し、仲間とともに、根本である自然も人間も『豊かで生き生きとしていつづけられるさま』を、どうしたら実現できるかを研究実践中。
【主催・お申込】
●主催:特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター(PARC)/PARC自由学校
●協力:特定非営利活動法人 自伐型林業推進協会
【上映作品】
上映作品『壊れゆく森から、持続する森へ』の詳細はこちら
オンライン視聴(Vimeoオンデマンド): https://vimeo.com/ondemand/parcmori