【11/19】シンポジウム:日本の海に迫る深海採掘の危機
(photo:NOAA)
深海鉱物資源採掘は「数世代にわたる不可逆的な生物多様性と生態系機能の喪失につながる」ため、停止させるべきであると70か国以上、900名以上の海洋科学者・専門家が警告しています。
世界最大の自然保護ネットワークであり、日本の環境省ら政府機関も加盟する国際自然保護連合(IUCN)では十分な環境アセスメントを行える情報も体制も整っていない状況において世界的に深海採掘は停止させるべきであるとする決議を可決しています。
すなわち、深海採掘はまだ行ってはいけない技術であるというのは、もはや国際常識であると言えます。
しかし、日本では2025年にも商業規模に匹敵する機材を用いて大規模な深海採掘が領海内で行なわれることが計画されています。もし、この採掘計画が進めば人類史上最大規模の鉱物採掘が十分な環境への影響評価と規制がないままで行なわれることになります。このまま座していて良いのでしょうか?
その計画はまだ十分に公開されていませんが、わかっていることは何か?世界ではなぜ深海採掘の危険性が注視されているのか?そしてそもそも深海採掘はリスクに見あった投資になりえるのか?
国際会議で深海採掘を巡る議論に参加してきた専門家と最も影響を受けるとされる太平洋の島々の運動を代表する活動家を招いたシンポジウムを開催します。
<プログラム(予定)>
・「深海採掘とは何か?日本の海で何が起きようとしているのか?」
田中 滋 <アジア太平洋資料センター(PARC)事務局長>
・「深海採掘を巡る国際潮流―国際法とビジネスチャンス(?)の観点から」
ボビ=ジョー・ドブッシュ <弁護士/海洋環境保全専門家>
・「海守の人びとの取り組み―太平洋諸島の深海採掘禁止を目指した訴え」
ジョーイー・タウ <グローバリゼーションに抗する太平洋ネットワーク(PANG)>
・三名によるパネルディスカッションと会場からの質疑応答
※同時通訳を予定
■報告者
・Bobbi-Jo Dobush(ボビ=ジョー・ドブッシュ)さん
ボビ=ジョー・ドブッシュさんは幅広い環境保全法および政策にかかわる経験を持つ弁護士であり、海洋環境保全活動家です。10年以上企業のサステナビリティ案件や炭素市場にかかわるアドバイザーを務め、科学者、弁護士と産業界をつなげる仕事を担ってきました。ドブッシュさんは深海採掘のとりわけ金融、賠償責任、文化的懸念に関する専門家であり、これまでに国際海底機構(ISA)の公式会合へ参加し、市民社会組織、政府代表団、慈善団体らへのアドバイザーを務めました。彼女は「ブルー・エコノミー」の「グリーン・ウォッシュ」によって海洋環境が乱されることを防ぎたいと思って活動を続けています。
・Joey Tau (ジョーイー・タウ)さん
ジョーイー・タウさんはグローバリゼーションに抗する太平洋ネットワーク(PANG)のキャンぺーナーとして活動するパプアニューギニア人です。PANGは太平洋の島々に拠点を置く「地域のウォッチドッグ」というべき組織であり、太平洋の人びとの自立・自決権を求めて活動しています。PANGは様々な民衆運動とつながり、堅実な調査と分析に基づいて作成された太平洋の人びとのための開発アジェンダを提起・奨励しています。ジョーイーさん自身は太平洋の民衆運動を代表し、声を上げるために複数回にわたってジャマイカ、キングストンで開催されるISA年次総会の議論に参加してきました。
・田中滋
アジア太平洋資料センター(PARC)事務局長。これまでにフィリピン、インドネシア、エクアドル、ブラジル、コンゴ民主共和国など各地の鉱物資源採掘地を訪問し、現地の環境・社会問題と日本の電気電子産業のサプライチェーン・デュー・ディリジェンスを強化するための調査研究・政策提言活動に取り組む。
■日時:11月19日(火) 18:30~20:30
■会場:連合会館203会議室
およびオンライン会議システムZoomを用いたハイブリッド開催
<対面会場>
連合会館
〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-2-11
・東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」、丸ノ内線「淡路町」、都営新宿線「小川町」B3出口より徒歩0分
・JR中央線「御茶ノ水」聖橋出口より徒歩5分
https://rengokaikan.jp/access/index.html
■参加費:会場・オンラインともに無料
■お申し込み:
https://pro.form-mailer.jp/fms/dfd2c310102067
■共催
国際環境NGO FoE Japan
アジア太平洋資料センター(PARC)
Fair Finance Guide Japan
※本シンポジウムはアジア太平洋資料センター(PARC)及び国際環境NGO FoE Japanと共催で開催する連続セミナー「気候危機と鉱山開発―望まぬ開発に抗う人々」の一環として共催します。