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気候危機対策としてニッケルやリチウムなどのレアメタル、また銅などの需要が高まっています。電気自動車や再生可能エネルギーの部品、バッテリー材料などの需要が伸びているためです。これまでも、海外の鉱山開発の現場では生活環境の破壊や抗議の声をあげる住民への弾圧など人権侵害が報告されてきました。様々な鉱物の需要が高まる中、鉱山の拡張や新規開発が相次ぎ、さらなる悪影響が懸念されています。影響を受けているのは、気候危機の影響を真っ先に受けてきたグローバルサウスの人びとです。本連続セミナーでは、脱炭素や公正なエネルギー移行の名の下で進む様々な鉱物の開発に抗う現場の人びとの声を聞きながら、私たちの生活と鉱物資源の問題について考えます。ぜひご参加ください。

第5回:地球の裏側で起きているリチウム開発~アルゼンチンからの訴え

リチウムは、脱炭素化の実現に重要だとされている鉱物の一つで、電気自動車や電子機器のバッテリー材料として注目されています。

リチウム資源が豊富にあるアルゼンチン、ボリビア、チリにまたがる地域は、「リチウム三角地帯」と呼ばれ、世界の約58%のリチウム資源が埋蔵されています。多国籍企業による資源の獲得競争がすでに起きており、日本の豊田通商、みずほ銀行、日本貿易保険、エネルギー・金属鉱物資源機構もオラロス塩湖での事業に参画してきました。豊田通商がオラロス塩湖で得たリチウムは日本に送られ、福島県楢葉町の工場で加工された後、電気自動車のバッテリーとして使用されます。

そのリチウム開発の現場は標高が高く、極めて降水量が低い乾燥地帯ですが、何世紀にも渡り人々が生活を営み、この地域特有の希少で繊細な生態系も発達してきました。

しかし、リチウムの採掘方法は、地中の貴重な水資源を地上まで井戸で汲み上げ、蒸発池と呼ばれる巨大なプールで1年ほどかけ蒸発させ獲得するというものです。太陽光による「クリーン」な方法で生産しているという企業の説明とは裏腹に、非常に貴重な地元の水資源に依存して生活を送ってきた先住民族や地域住民、生態系に多大な影響が生じ、脅威をもたらしています。

本ウェビナーでは、長年、現地に入り先住民族や地域住民の方々と共に活動、調査をしているアルゼンチンの2団体の方をお招きし、アルゼンチン北部のリチウム開発の現場で何が起きているのか、またグローバルノースで推進されているエネルギー移行との関係についてお話を伺います。ぜひご参加ください。

・日時
2025年7月3日(木)20:00~21:30

・会場
オンライン開催 Zoom(ウェビナー)
※参加費無料、ご寄付歓迎

・申込み
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_yflhXFVtSq2fwdgAjrqPdQ

・共催
国際環境NGO FoE Japan、アジア太平洋資料センター(PARC)、Fair Finance Guide Japan

※このセミナーは一部地球環境基金の助成を受けて開催します。

プログラム(予定)

・開催趣旨:田中滋<アジア太平洋資料センター(PARC)>
・オラロス塩湖、リチウム資源開発事業の概要:佐藤万優子<国際環境NGO FoE Japan>
・アルゼンチンのリチウム採掘の概要と問題点(逐次通訳あり):Laura Castillo氏<環境天然資源財団(FARN)>
・日本の官民が関与するオラロス塩湖の事例(逐次通訳あり):Melisa Argento氏<アルゼンチン環境弁護士協会(AAdeAA)>
質疑応答

●共催

国際環境NGO FoE Japan、アジア太平洋資料センター(PARC)

●問合せ

特定非営利活動法人 アジア太平洋資料センター(PARC)<担当:田中>
office@parc-jp.org/03-5209-3455

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